<対馬探訪2023> プロローグ3/4 金田城の5つの魅力【後編】

金田城の魅力④ 城内でタイムスリップ!古代から明治時代にワープ!



金田城には、もうひとつの顔が。
古代山城を歩いていたはずが、山頂付近に近づくと、突如として明治時代にワープします。
なんと、金田城は日露戦争時に山頂付近だけが改変され「城山砲台」として再利用されるのです!





ロシアは不凍港を求めて浅茅湾の占拠を狙い、
これに対して明治政府は浅茅湾内にいくつも砲台をつくって備えました。
浅茅湾に突き出す金田城も、当然ながら押さえておきたい重要な場所でした。…納得。





たとえば織田信長の小牧山城、徳川家康が小牧・長久手の戦いで改造して使うように、
城が大改変されて再利用されるケースは珍しくありません。
しかし、改変されるまでの年月はせいぜい20~30年くらい。
まさか1200年後に再利用されるとは、天智天皇もびっくりだ!笑


全国の砲台のなかでもしっかりとしたつくりで、さすがは国境の島だと緊張が走ります。

古代山城と近代遺跡が共存しているなんて、金田城ってばミステリアスすぎますよね!






古代の風を感じる、山頂からの絶景!
防人のみなさんも、この雄大な景色を眺めていたのでしょうか。。





ちなみに金田城の中心部はビングシ山と考えられ、掘立柱建物跡が検出されています。
その広さや数から考えると、かなり多数の防人のみなさんが過酷な労働生活を送っていたよう。
その望郷の念は、日本最古の和歌集「万葉集」の「防人の歌」にも記されています。





山頂にも石塁が。
こんな足場のない高所に、よく積みましたよねえ。。






古代の風を感じたところで、再び明治時代に戻ります。忙しい!笑
この登城道、やけに整備されていて歩きやすいと思いませんか?
実は、明治時代に陸軍がつくった「軍道」なんです。


 

緩斜面が続く計画的な道筋、馬車が通るための見事な一定幅!
岩盤を削り込んだ、強引ともいえるほどの完璧な道筋です。



 

よく見ると、芸術的に切石を敷き詰めた排水路も設けられ、対策も完璧。
陸軍の緻密な仕事ぶりに、当時の爆進ムードを感じます。
この頃はよかったんですねえ。。。

 

金田城の魅力⑤ 地質・地形を生かした姿を絶景とともに楽しめる



さて、「金田城まるごと探訪ムービー」では、スペシャルクルーズも体験しました。





黒瀬湾から見上げる、東南角石塁の壮大さよ!!





そして、朝鮮半島側から見る、天嶮の金田城のすさまじさよ!



 
  

海から見ることで金田城の本質(立地・地形・地質)に迫れ、本当に感激しました。
こちらはムービーをお楽しみにしてくださいね。




<対馬探訪2023> プロローグ4/4 お届け!城組コンビのディープな旅 に続く


Text / Sachiko Hagiwara
Photo /Sachiko Hagiwara , Koyata Saito


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